Victorってあの日本ビクターというかJVCです。
知ってました?ビクターがデジカメを作っていたという事実を。
少し前にPENTAXをJVC・ケンウッド・ホールディングスが買収を検討しているという事が話題になりましたが、
それ以前からデジカメを作っていたわけです。
はてさて、どんな機種なのか気になります。
購入価格は840円。
メーカー希望小売価格は131,250円です。
この時点で突込みどころが2点ぐらいありますが、
まず第1に334(600)万画素表記なのは、
画素補間で600万画素に出来るということです。
富士フィルムのようなハニカムの補完ではなく・・・
と思いましたが、調べていくとハニカムの補完みたいですね。
CCDとレンズの間にあるロー・パス・フィルタと呼ぶ一種の光学レンズを垂直方向に3.4μm機械的に動かすことで入射する像を“ずらす”。3.4μmは300万画素CCDの1画素の一辺に相当し、CCDの画素に入射する像を1画素分垂直方向にずらすことが可能になる。
PIXSTAR GC-X1のCCDは原色系のカラー・フィルタを採用しているため、赤(R)と青(B)が1に対して緑(G)が2の割合で情報を取り込む。民生用のディジタル・カメラのほとんどは各R、G、Bの画素の周辺にある画素の情報から1画素の色情報を計算して復元する。
PIXSTAR GC-X1は同じ撮像を違うカラー・フィルタが露光することで情報が2倍になり、計算する際の情報量が増えるわけだ。「1枚のCCDで、複数のCCDを備える業務用カメラ並みの画像を追求した」(深沢グループ長)という。画像は他の300万画素ディジタル・カメラと同様に2032×1536ドットになる。
日経BPより引用
このことからも結構面白そうです。
そしてもうひとつは普通に「高い」ということでしょうか。
あと、余談ですが、
この機種の製品紹介に「コンパクトカメラ風デジカメ」と記載されていてちょっと面白かったです。
レンズは2.3倍ズームで、F2.8-3.8の38-85mmでオートフォーカス。
特にレンズの名称はついておりません。
このCCD自体は割と採用されているものですね。
素子サイズも大きくてうれしい限り。
レンズは中々珍しいものが採用されているようです。
液晶は2型TFT液晶。(20万ドット)
マクロは2cm、メディアはスマートメディア(3.3V)、駆動は専用充電池(BN-V37)と、
これだけ見れば中々のスペックですね。
特に、この時代でマクロ2cmは素晴らしいです。
バッテリーについては使い回しができそうにない形状なのが痛いです。
機能としては、
デジタルズーム、セルフタイマー、動画撮影(音声なし)
また、今でいうHDRモードやノイズリダクション機能などをいち早く搭載するなど、
かなり力が入っています。
・購入時の状態
付属品:外箱以外はあり
状態 :問題なし
機能 :バッテリー消耗寸前、CCDライン抜け
台数 :1台
・デザイン・メカ・インターフェイス
デザインセンスは中々素晴らしいです。
しかし、よくよく見てるとコンパクトデジカメというよりかはビデオカメラっぽい感じですね。
そこがビクターというかなんというか。
筐体は結構大きく、ホールド感もあんまりよくはないです。
上部。
レンズの出っ張りが目立ちますね。
また、ボタン類や背面部が面白そう。
絞りがアイリス表記なのも面白いですし、
独立でボタンを設けているのもなんかビデオカメラっぽいです。
こっち側にモードダイヤルが付いているのも珍しいですし、
表記もデジカメっぽくないですね。
「動画」と文字で記載されていて面白いです。
ちなみに、側面にモードダイヤルが付いている機種として、Cyber-shotのFシリーズを思い出しました。
背面。
液晶が大きいですね。
操作系は上部に集中している感じです。
底面。
この大きさからか、電池室とカードスロットが別々です。
ちょっとバッテリーの蓋にクラックが入ってますが、
蓋のプラスチックだけが異様に安っぽいです
上部の液晶も大型でちゃんと文字も表示させる辺りがそそります。
起動は5秒程度とあんまり早くないです。
立ち上がってからも非常に重く、
操作をしてイライラするぐらいもっさりとしてます。
更に、UIや操作性も破綻しているため、
せっかくの高性能が無駄になってしまってる感じですね。
モード切り替えも、UIを操作している時もとにかく待たされる印象です。
液晶はスペック上はいいのですが外では見づらく、
AFも遅く残念な点ばかりみえてきます。
特に、この個体はバッテリーが消耗しかけているので一度の充電で5枚程度の撮影が限界ですが。
新品時でもバッテリーの持ちはあんまりよくないようです。
●画質
画質については場面をかなり選ぶといった感じです。
発色については中々面白い。
原色フィルターの筈なのに、どうも補色フィルターのような感じですね。
そして、よくみると上部にライン抜けというか、
DSTN液晶やCRTでいうダンパ線みたいなものが見えます。
こんな不具合もあるんですねw
その他の写真はこちらにございます。
評価
評価基準は私、さらもでの主観と個人的な思い入れで決定しております。
よって、上記内容と共に全くアテにならないこと請け合いで御座います。
画質などに関しては画素数に関係なく、「現在でも通用するか」を基準に採点しております。
(10段階、100点満点)
デザイン :08/10:見た目・質感・安っぽさは減点
仕様 :04/10:マクロ、画素数、レンズ、液晶など
機能 :06/10:必須機能や便利、面白い機能
挙動 :01/10:起動の速さ、動作の速さ等のレスポンス
使いやすさ :01/10:主に操作性
AF・露出精度 :03/10:AFは正確か、
画質 :03/10:文字通り
輝き度 :06/10:ありきたりではなく、尖った何かがあるか
価値 :09/10:レア度、今でも買う価値はあるか等
お気に入り度 :02/10:今後も使い続けたいかなど
合計:43/100
サラネ式デジカメ採点システムテーブルa ver1.00
コメント
ビクターデジカメもあったのですか。これは前機種GC-S1がビデオレンズを使って画質面で大いに叩かれたことを反省して専用レンズに大型CCDで出直してきたものの結局デジカメとしての詰めが甘くてそんなに売れなかったと聞きました。後継機種であるGC-X3ではネット画像を見る限り本気で画質改善しているそうなので、気になって購入してみました。GC-X3も振るわず結局スチルカメラの技術は親会社の松下電器に行ってLUMIXが開発されたそうなので、不思議なものです。
未だにコレの互換電池を売っているロワってすごい…
ビクターデジカメも一応所有しております。
まぁ、デジカメのノウハウがあまりない時代といいますか、
値段もそうですが、そういう時代の負け組なデジカメって感じですね。
ただ、ビクター自体はこれに懲りずに、
近年ではGC-PXとか、それから派生したGC-P100とか、
デジカメっぽいカメラを出したりしておりましたが、
結構面白い会社という印象でございます。
ロワはすごいですよね。
結構お世話になっております